2020年個人的ベストソング
2020年好きなアーティストが増えたので、おすすめしていきたいと思ってまとめることにした。先に保険をかけておくが、世の中で流行っているものにとてつもなく疎いので、世間の意見とは乖離していると思うし、ある程度は調べたりしていますがまだまだなところとかずれた考察とかあるかもですが、あらかじめあしからず。
なお順番は大体発売順です。この中での一番はその紹介のとこに記そうと思っております。
2020年発売編
King Gnu - Teenager Forever
3rdアルバム『CREMONY』収録。SONYウォークマン、ノイキャンイヤホンのCMソング。
自分がKingGnuにハマっていくきっかけとなったアルバムの一曲から。この曲からはいい意味での、幼さや無邪気さ、泥臭さ、人間臭さと言った純粋な精神が感じられ、自分には刺さった。理想と現実の間にいる難しさがはっきりと言語化されていて、10代に限らずどの世代にも来るものがあると思っている。自分は発売から約一週間後に20歳になったが、10代最後の瞬間にこの曲を聞いた。
MVではメンバーが100万円をもらい自由に使う様子が収められているが、常田はロシアへ、勢喜はグアムへ新婚旅行、新井は親孝行、そして井口はフィリピンで豪遊とそれぞれがらしさを発揮している。井口の全力疾走はネットでも話題になった。全員が魅力的な一面をもち、その個性を一つにした最強のバンドを象徴するがごとく、最後に再び4人が集まりMVが終わる。
もちろんこのアルバムには他にも素晴らしい楽曲があげられるが、自分自身に最も響いたこの曲を1曲目としておすすめしたい。
乃木坂46 - 世界中の隣人よ
医療従事者に対する感謝のメッセージが綴られた乃木坂46の現役と卒業生による配信限定シングル。収入は全額寄付という形が取られた。
乃木坂ファンとしてはまさか卒業メンバーが登場するとは思っていなかったため非常に驚いた。このような形で卒業生と新メンバーが一体となって何かをするというのが現実になるのは嬉しい限り。
歌詞も時世にあっており、乃木坂の今年を代表する一つの曲と言えるだろう。
隣人よ夜が明けて 世界を照らすまで部屋にいましょう
このフレーズこそがこの曲の全てを象徴していると思っている。
MVはメンバーが自撮りで撮影したものを合わせて作られている。また乃木坂が夏のライブを行う神宮球場の映像が用いられており、CGでライブが行われているかのような映像になっている。
この曲は意図せずして2018年から続く人とのつながりをテーマとする曲の4作品目になっていると考えている。
2018年「シンクロニシティ」では街中ですれ違う人といった偶然に起こるような言語を介さないつながりが描かれていた。
2019年「Sing Out!」ではまだ見ぬ世界中の人とのつながりが象徴されていた。
2020年「しあわせの保護色」では身近な人たちとの日常に潜むしあわせの存在が表現されていた。
この春に発売された3作品で一つの大きな流れが完了したと思っていたが、思ってもいなかった事態に世界が直面した。そんな中リリースされた「世界中の隣人よ」は形は変化したものの人とのつながりは決して失われることはないというメッセージが込められているように感じた。
この作品の後に行われた乃木坂46時間TVでは現状に対するメッセージとして歌われた。いつになるかはわからないが完全にライブが行えるようになった時、また違った意味での『世界中の隣人よ』を聞くことができたらと思っている。
millennium parade - Fly with me
常田大希率いるミレパを次に紹介したい。KingGnuは知っているという人は多いかと思うが、常田はこちらでも活動しているので是非知ってほしい。
この曲はNetflixで配信される「攻殻機動隊 SAC 2045」のオープニングテーマで、常田曰く、攻殻機動隊に多大な影響を受けているとのこと。
この作品の個人的な最大の魅力はMVにある。MVは常田が在籍するPERIMETRONにより制作された。MVはストーリー形式で進んでいく。主に3人のキャラと敵キャラの対決という大筋が存在する。SFアクションの要素が強い作品として楽しむことができる。ただ、この世界で物語は完結することなくこの世界を俯瞰的に見る別世界の存在が、このMVを奥深く、不気味ながらも目を引かれるものにしていると考えている。
ここからは個人の考察になる。世界を支配しようとする存在対それに抗う存在というのがこの大きなストーリーである。ただそれを俯瞰的に見ている存在によって所詮は両者はコントロールされている。しかし、そのことにすら気づくことができないくらいの別世界の存在である。俯瞰的に見る側は対立により、私腹を肥やしていく、真の支配者的存在を描いているのではないかと考えている。ただ、最後のシーンでは別世界に干渉することができる瞬間がやってくる。これは現実の世界をシンプルに示唆しているように思える。ただそこにあるのは単なる政治的な意味合いとかだけでなく、さまざまなスケール感での対立だと思っている。
PERIMETRONのMVは映像が綺麗であり、物語性があり、メッセージがある。それがミレパの描く曲の世界観と相まって無二の存在となっていると思う。2020年に発売された「Philip」もまたこの作品とは違った世界観のアニメーションで描かれている。是非この世界観を共有したいと思い紹介したい。
millennium parade - Fly with me
Creepy Nuts - かつて天才だった俺たちへ
今年最も聞いたであろう曲。YouTubeのおすすめにでてきて、見た時から取り憑かれた。また今年最も影響を受けたであろう曲。おそらく今年有名になったので、所詮ミーハーと思われるかもしれない。ただ好きなのは変わらないのでおすすめしたい。
彼らのことを紹介すると、ラッパーのR-指定、フリースタイルラップの日本大会で3連覇した生粋のラップオタク。見た目はロン毛の髭と風貌は怪しめでラッパーのために怖く思われるが温厚かつどちらかといえば正論を言っている。ただし遅刻魔、ITオンチやばいとこもある。DJはDJ松永、2019年DMC(DJの世界大会)で優勝した世界一の男。見た目は量産型大学生のような感じと言われるが、世間に切り込むラジオで数々のパンチラインを残した(?)。
そんな二人である。彼らはラジオで小物感を出している。しかし、日本と世界を取っている。テレビで紹介されるときは最強とかそんなフレーズが使われる。そんな二人が出したアルバムが「かつて天才だった俺たちへ」である。こちらから言わせれば、今も天才の二人やないかとなってしまいそうだが、作詞をしたRの意図は全く異なる。
人間は誰しも赤ちゃんのころはなんでもできる無限の可能性を秘めている。その状態こそが『天才』だと言っている。ただ大人になるにつれ、諦めや固定観念でその可能性を潰してしまう。でも今からでも遅くないだろう?と問いかけている。
そのため歌詞では、サッカーやフェルマーの(最終)定理、絵などRの諦めてしまったことを元にした歌詞が盛り込まれている。
この二人が強いのは誰も見捨てていないということにあると思う。だからこそ、俺たちへ、貴方へという歌詞がかけるのだろう。
そしてなんと言っても綺麗に韻が踏まれ聞いていて心地が良い。曲もイントロから盛り上げていってくれる。そして歌詞もフェルマーの定理にかけて、余白といったワードが使われたり、サッカー、フェルマーの定理、チャリと言った丸(円)に関係したものがダメだった自分のことを多面体と表現したりしている。ギミックが細かい。
この曲はミニアルバムに収録されているがこの一曲前には「Dr.フランケンシュタイン」という曲が収録されている。この曲は教育という名のもとで、個性を失って胃しまっている現状をディスっている。これを『整えられてきた』と表現したが、「かつ天」でも
似たような形に整えられて 見る影もない
表現している。そこからもこのアルバムに共通するメッセージ性を感じられるのではnないだろうか?
この曲で個人的に最も刺さった歌詞に
粗探しが得意なお国柄 シカトでかまそうぜ金輪際
がある。ここでもしれっとディスを入れてきている。この歌詞でふと思ったのがアーティストは異なるがKingGnuの『Flash!!!』という曲である。この曲は「出る杭は打たれる」という言葉を視覚的に表したというのを見た記憶があり、共通するものを感じた。(現在出典を探し中)
まだまだこの曲については語り尽くせないので、これぐらいにするがCreepyNutsは是非ともおすすめしたい。本当にこの楽曲をCMソングにした帝京平成大学はセンスがあると思っている。この曲が今年最もおすすめしたい楽曲。
Creepy Nuts / かつて天才だった俺たちへ【MV】
Creepy Nuts - かつて天才だった俺たちへ / THE FIRST TAKE
Tempalay - 大東京万博
この曲でTempalayに出会った。きっかけはPERIMETRONだった。
映像、曲、歌詞全てがいい意味で奇妙かつ無二。一つの世界がすでに完成されているように思ってしまっていた。しかし、2020年の12月メジャーデビューという当時はまだデビュー前で非常に驚いた。まだポテンシャルを隠しているのかと。この曲は言語にするのがもったいないと感じさせる。そのままの状態で楽しむのが最適だと思う。
一つ彼らの魅力を語るとすれば、歌詞の日本語の美しさだと思う。繊細な表現を使っている。一つかけ違えれば、この曲の心地よさが失われてしまうのではないかと思うほどに良い。
タイトルには「大東京万博」とあるがこのワードは歌詞中にはない。ただこの作品を聞きタイトルを再び見れば納得してしまう。
これ以上は自分の稚拙な言語表現では魅力を伝えきれない。実際に体感してもらうに越したことはないと思う。
Tempalay "大東京万博" (Official Music Video)
福山雅治 - AKIRA
自分が中学生の頃、約8年くらい聞いている福山雅治だが、彼の凄みは同じような曲が存在しないことだと思う。
久しぶりのアルバムのタイトルは『AKIRA』。1曲目にアルバムのタイトルと同じ『AKIRA』が収録されている。あらかじめ補足しておくと、この『AKIRA』とは福山の父であり、父が亡くなった歳に自分が近づいたことを意識して書かれた曲である。
自分自身のことを歌った歌詞であるのだろうが、万人に受け入れることができるのだろう。福山自身が父になったことで得られる感情もきっとあるのだろう。そしてまだ20代の自分と将来縁があり、父となった時に聞くのでは聞くのでは意味が違って聞こえるのではないかと思う。そういった全年齢が楽しむことができるのが彼の作品の特徴であると思う。
世間では『桜坂』や『家族になろうよ』と言ったラブソングが福山のイメージとしてあるだろうが自分が思う彼の真骨頂は死生観や人間について考えた曲にあると思う。前作の『HUMAN』もそういった傾向が見られる。彼が男性限定ライブを年末に開催し始めたのもこの頃である。男性が好きな曲の傾向と女性の好きな曲の傾向が異なるから始まったのだろう。ただそれだけではなく、彼自身が男性であるからこそ共感できる表現や選曲というものがあるのではないかとこの作品を通じて感じさせられた。
今回のアルバムにはこれだけではなく様々な作品が収録されているので、誰もが一曲くらいは刺さるんのではないかと思っている。是非一度聞いてみて欲しい。
最後に
今回選んだ作品はおすすめしたい曲の中でも一部で、全てを出すのは難しいことだと実感させられました。また、文章も拙く、表現も安いものばかりになってしまい、魅力を十分に伝えきれなかったのではないかと不安な部分もあります。2021年には一定のペース、月2、3曲を目安に曲を紹介していきたいと思います。そして2021年版でリベンジができたらと考えてます。この機会にこれらのアーティストを知り、聞くきっかけになったと思っております。
ここまで読んでいただいたかたありがとうございました。